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2020年12月2日

最高裁判決 賞与・退職金で非正規側敗訴

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「同一労働同一賃金」を巡る複数の訴訟で、最高裁の判断が示されました。
 退職金支給を求めたメトロコマース事件、賞与支給を求めた大阪医科薬科大学事件の上告審は、どちらも正規・非正規間の不合理な格差の是正を求めたものですが、最高裁は「不合理とまではいえない」として非正規側が敗訴。また、同様に手当や休暇など5項目について格差是正を求めた日本郵政事件の上告審では、これらの待遇格差はいずれも違法であるとして、非正規側が勝訴しました。
 それぞれの最高裁の判決をみると、メトロコマース事件では、職務内容や配置転換などの違いが厳密に認定され、退職金制度設計においては企業の裁量を尊重する余地が比較的大きいとされました。
 賞与の不支給を争った大阪医科薬科大学事件では、アルバイト職員の職務は軽易で、配置転換もなく、正社員への登用制度もあったことなどが考慮され、不合理ではないとされました。

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 日本郵政事件では、正社員と多少の職務の違いはあっても、契約社員には継続的な雇用が実態があったとし、扶養手当、年末年始勤務手当、年始期間の祝日給、夏季・冬季休暇、有給の病気休暇についての格差は違法だとされました。
 賞与や退職金は金額が大きいだけに、非正規側の勝訴となれば企業経営への影響は大きかったものと考えられます。一方、是正を命じた手当や休暇などは、企業にとって比較的負担の軽いものでであり、企業への影響と格差是正のバランスを図ったようにもみえます。
 しかしながら、今回の判決において、性質や目的などの条件によっては退職金や賞与の不支給が不合理と認められることもあり得ると言及していることに十分留意する必要があります。

(福岡労務ニュース2020年12月号の記事を再構成しました。)
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