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2020年3月19日

賃金請求権の時効が当分の間3年に延長へ ~ 労働基準法改正案今国会へ

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賃金請求権の消滅時効の延長などを内容とする、労働基準法改正案が今国会に提出されており、成立すれは改正民法に合わせて2020年4月1日から施行されます。

2017年5月の通常国会で、明治29年の制定以来の大改正と言われた改正民法が成立しました。この改正により、使用人の給料などに関する短期消滅時効が廃止され、それまで債権の種類ごとにまちまちだった時効期間は、原則として債権者が権利を行使することができることを知ったとき(主観的起算)から5年間、または権利を行使することができるとき (客観的起算)から10年間行使しないときに統一されました。

賃金請求権については、民法では1年の短期消滅時効とされてきましたが、特別法である労働基準法において労働者保護の観点から2年(退職手当は5年)とされてきた経緯もあり、改正民法で時効期間が原則5年に延びるのに対し、現行の2年を維持した場合、労働基準法の保護水準がそれよりも低くなってしまうことから、その動向が注目されてきました。

最終的に改正法案では、改正民法とのバランスを考慮して、現行の2年を5年に延長(客観的起算点)するとしています。ただし、延長による労使の権利関係の不安定化や、紛争の早期解決・未然防止という時効制度が果たす役割への影響を考慮し、当分の間、現行の労働者名簿などの記録保存義務期間(労基法第109条)に合わせて3年を時効期間とするとしており、改正法の施行から5年経過後の施行状況を勘案し、必要性があると認められれば見直しが図られます。

改正法案が成立すると、①労働者名簿等(労働者名簿、賃金台帳及び雇人れ、解雇、災害補償、賃金その他労働関係に関する重要な書類)の書類の保存期間も5年間に延長され、②付加金の請求期間も違反があった時から5年に延長されることになりますが、当分の間、時効期間は3年となります。なお、退職手当請求権は現行の5年、年次有給休暇請求権、災害補償請求権も現行の2年のまま維持されます。

国会議事堂

福岡労務ニュース 2020年4月号 TOPICS