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2025年1月27日

「健康保険証」発行終了と「マイナ保険証」に対しての企業の対応

ニュース等で盛んに報道されており、すでにご存じの方も多いことと思いますが、昨年12月2日をもって「健康保険証の新規発行が終了」となりました。健康保険証が新たに発行されなくなると、「企業実務にどんな影響があるのか?」と不安を覚えている人事労務担当者の方もいらっしゃるかもしれません。今回は、「健康保険証」発行終了と「マイナ保険証」に対しての企業の対応についてご説明いたします。

■マイナ保険証を持っていないとどうなる?

上述のとおり、2024年12月2日以降、健康保険証の新規発行が終了となりました。ニュースなどをふまえて、社員が自主的にマイナ保険証の利用登録をしてくれることを望みたいところですが、「そもそもマイナカードを持っていない」「マイナカードは持っているが、利用登録をしていない」といった社員も一定数いることでしょう。

 

2024年12月2日以降でも、健康保険証が発行済の場合は、2025年12月1日まではそのまま健康保険証を利用することができます(退職等で健康保険の資格を喪失した場合は、その時まで)。

マイナ保険証の利用登録をしていない(マイナ保険証を持っていない)場合はどうなるのかという疑問が出てくると思いますが、それについては、既存加入者には「資格確認書」が無償で自動的に交付されます(2024年12月2日以降~)。「資格確認書」の有効期限などは、加入している健康保険により変わるので、事前に確認することをお勧めします。

また、新規加入者においては、入社時の健康保険の資格取得の際に「資格確認書」を必要とする場合は、「健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届」の「発行が必要」欄にチェックをしてください。

 

しばらくは、マイナカードを持っていなかったり、マイナ保険証の利用登録をしていなかったとしても、健康保険証で変わらず受診できるというのが実情ではあります。ですが、運転免許証も2025年3月からマイナカードと一体化される流れがあるなど、国はマイナカードの利用をますます促進していきたい意向があるため、企業としてはこの流れに乗って、社員やその家族に対してマイナ保険証への移行、利用を促していきたいところです。

■企業実務においての「マイナ保険証」に移行するメリット

企業実務における「マイナ保険証」に移行するメリットをご説明します。

【「マイナ保険証」移行メリット】

  • 社員の入社時の手続きをした後に、健康保険証の手配の対応がなくなる→「資格情報のお知らせ」を社員に配布するのみでOK
  • 社員の退社時は、健康保険証の回収が不要になる(※2025年12月2日以降)。
  • 健康保険証を紛失時の対応も不要になる。

このように、これまでかかっていた手間ひま、コスト等が削減されるのが大きなメリットです。一方のデメリットですが、企業実務においてはデメリットというものはあまり見当たりませんが、社員が持っている保険証が、旧健康保険証、マイナ保険証、資格確認書……と複数混在していると担当者の業務が煩雑になってしまうということがあります。

社員に強制はできませんが、マイナカード取得や、マイナ保険証の利用促進を推進して、保険証を統一していく方向性がベターでしょう。

■マイナ保険証に対しての企業の対応

以下より、マイナ保険証に対しての企業の対応を4つご説明いたします。

対応① 最新情報を収集・把握する

社員から質問をされた時に説明できるように、まずは、人事労務担当者の方が、制度の内容を正確に把握しておく必要があります。問い合わせがこれからますます増えてくることが予想されるため、常に最新情報を収集し、その内容を把握することに努めましょう。

対応② 社員に周知する

次に、マイナカードを健康保険証として利用するための方法や、マイナ保険証のメリット・デメリットなどを周知します。厚生労働省のページ『マイナンバーカードの健康保険証利用について』に詳しく情報がまとめられているため、こういったページの情報を活用して周知されるのがお勧めです。また、2024年9月以降、社員の被保険者資格等が記載された「資格情報のお知らせ」が会社宛てに届きます。その内容とともに、マイナカードの健康保険証利用について改めて社員に説明しましょう。

対応③ 社員からの問い合わせ対応

社内周知用の資料を作成したり、説明会を実施する際は、社員からの問い合わせに備えて、“よくある質問”に対する回答を準備しておきましょう。厚生労働省のページ『マイナンバーカードの健康保険証利用についてよくある質問』にFAQがまとめられており、適宜更新されているため、こちらを参考にされるとよいでしょう。

対応④ システム対応

企業においては、社会保障及び税に関する手続書類の作成事務を処理するために必要がある場合に限って、社員等にマイナンバーの提供を求めることができます。社員から収集したマイナンバーはシステムを利用して適切かつ厳格に管理されていることと思います。現在お使いのシステムの対応状況を確認し、必要に応じてシステムの改修を行いましょう。

井上晴司

編集者:井上晴司

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